研究内容 Research

最終更新日 2017.12.25

サービスチェイニング

サービスチェイニング

サービスチェイニングとはユーザの要望に応じたネットワークサービスを提供するために、複数のネットワーク機能を経由するための技術である。

今後、ネットワーク機能仮想化(NFV、Network Function Virtualization)技術によって、専用機器で提供されていたネットワーク機能が仮想化され、汎用サーバ上で様々なネットワーク機能を提供することになる。これにより、設備コストの削減や、機能の追加や削除が容易になるなど多くのメリットがある。

このNFV技術を、複数の拠点に配置されたデータセンタ上で利用することが検討されている。このとき、複数のデータセンタにある仮想化されたネットワーク機能(VNF、Virtual Network Function)に対して、所望のサービスを提供するためには複数のデータセンタを経由する技術が必要となり、そのための技術であるサービスチェイニングの研究開発が盛んに行われている。

このサービスチェイニング技術を用いることによって、各パケットに対して様々なネットワーク機能の処理を提供でき、結果として各ユーザに対して多種多様なサービスが提供できる.

Delay Tolerant Networking : DTN

DTN

深宇宙通信では通信距離や惑星の移動などによってデータを損失することから、通信が完了するまでに最長で数週間かかることがある。このような深宇宙通信における問題を解決するためにDTN(Delay/Disruption Tolerant Networking)が構想された。このDTNは通信可能な中継機(惑星に設置した端末や人工衛星)に対してデータを転送し、データを受信したノードはさらに他の中継機へとデータを転送する。このとき、他の中継機と通信できない場合はデータを保持し、他の中継機と通信できる状態となったときにデータを転送する。このようなデータの転送を宛先に届くまで繰り返すことで、送信元と宛先との距離や位置関係に関わらず信頼性の高い通信を実現する。

さらに、DTNは宇宙空間だけでなく地上の通信インフラが整備されていない地域や災害地で利用することも考えられている。特に、このDTNをスマートフォンアプリに実装することにより、地域活性化や災害地における災害情報の配信などを目指す研究が盛んである。

ユーザ移動促進技術

ユーザ移動促進技術

従来のインターネットでは、IPアドレスがホストの識別子(ID)と接続位置(ロケータ)の2つの役割を担っている。このIPアドレスの2面性によって、ホストの移動により接続位置が変わることでセッションが切断されてしまい、通信を継続することが出来ない。このような移動による問題を解決するために、ID・ロケータ分離ネットワークという新たなネットワークアーキテクチャが考案された。このアーキテクチャでは、ホストのIDとロケータを分離することで移動をサポートしている。

このようなID・ロケータ分離ネットワークの通信継続性に基づき、ユーザの自律的な移動を促進することで、通信ネットワークの負荷分散によるネットワーク全体の利用率向上や、モバイルユーザ間の通信における公平性確保が期待される。この移動促進技術を利用したアクセスポイント間の誘導による経済効果や、様々なサービスとの連携も期待される。

障害復旧

MRC

総務省の調査では、2016年時点で日本人口の8割以上がインターネットを利用している。このため、インターネットは我々の社会活動に欠かせない重要なインフラの1つであり、ネットワーク障害による影響は無視できない。

ここで、ネットワーク障害の要因としては、以下のような例が挙げられる。

  1. 地震や洪水などによる通信設備の破損
  2. 悪意のあるサイバー攻撃によるサーバダウン
  3. 経年劣化によるネットワーク機器の故障

具体的な例としては、1.では東日本大震災発生時の基地局倒壊やケーブル切断、2.ではDDos攻撃によるサーバダウン、3.ではデータセンターにおけるサーバを構成する各部品の経年劣化による物理的な故障の例が挙げられる。

このため、障害の影響が少ない通信インフラの整備や障害発生時に迅速に復旧できるシステムの提供が重要である。